【JAグループ鳥取 中央会職員による被災地支援の報告書(抜粋)】

○宮城県の農業被害について

  津波による農地被害は、沿岸部の8市6町で15,002ha(田12,685ha、畑2,317ha)の浸水被害となり、
県の全耕地面積(136,300ha)の1割超の被害となっている。

○JAみやぎ亘理管内被害状況

 管内農地の約8割が津波により冠水 水田被災面積 3,100ha

 いちごハウスは380人の生産者のうち、356人が被災。被災面積は91.4ha

被災地支援(7月25~29日)

<支援隊編成>
      今回は第15陣支援隊 参加者総員101名(鳥取県からは19名)

   参加県:鳥取、埼玉、愛知、岐阜、広島、熊本、鹿児島 計7県

<活動内容>
  (1)第1日目(7/25)
     オリエンテーション;地震の概況・被害状況・経過報告・作業内容の確認など
  (2)第2日目(7/26)
     石巻市ボランティアセンターでボランティア登録後、旧避難所の撤去、清掃作業を実施
      現地作業
     場所:石巻市築山(つきやま)3丁目 石巻市教育多目的施設「釜会館」
     人員:岐阜、埼玉、農協観光と合同で作業、総員32名
   (3)第3日目(7/27)・第4日目(7/28)

     JAみやぎ亘理 本所・逢隈(おおくま)支所にてJAみやぎ亘理(わたり)組合長挨拶

(挨拶要旨)

   「全国のJAグループの支援に対して感謝しています。JAグループには、こんなにも大きな力がある。全国のJAグループの相互扶助の大きさを実感しました。1人は万人のために、万人は1人のために、の言葉の意味も同様に実感しました。多くの方に人的支援いただきました。心が折れそうな時もあったが、皆さんの支援に背中を押され、営農再開に向けての力となりました。」

    現地作業:亘理町逢隈小山地区

    作業内容:耕作放棄地での抜根作業、枝や竹を拾い所定の場所へ搬出

   (4)第5日目(7/29)

     解団式・帰鳥

 【所感】

 今回の支援隊活動で一番感じたことは、実際の現場を目で見て、活動することによって、改めて被害の大きさ、復旧への大変さが感じられました。

  初日の石巻市釜会館を訪れたときは、被害の大きさと周囲の被害状況に隊員皆が言葉を失い「何が出来るだろうか」という感じでした。これまでのメディアで震災の大きさは知っていたつもりであっても、実際の現場を目の当たりにし、予想以上の被害の大きさを改めて実感しました。

  JAみやぎ亘理管内の、農協組合長および再建予定地の生産者の両方に通じる言葉が、「大変な津波被害を受けた」しかし、「これから絶対に再建してイチゴを復活させ、クリスマスには出荷するんだ」という思いの強さを感じました。

  我々隊員がJAグループ鳥取の代表として、微力ではあるが支援活動を行なったことは、宮城の復興の一助となり、思いは伝わったと確信しています。この経験を、参加されていない人に伝えるとともに、復興支援に向けて、鳥取県で行えることには今後とも協力していきたいと思います。